のどぐろの喉はなぜ黒いのか気になりますよね。
世間ではカモフラージュとの声もありますが、もしそうだとすればほとんどの深海魚の喉が黒いことになります。
他の深海魚やムツ系の魚種との違いも含め比較してみましょう。
また、「のどぐろの黒い部分は腐っているのでは?」との不安な声も見かけるため、この疑問も解決していきます。
のどぐろはなぜ喉が黒いのか?
のどぐろの喉が黒い理由は、主に
- 獲物に気付かれないため
- 捕食されないため
このようなカモフラージュだと言われています。
そのため、のどぐろの黒い部分は腐敗している訳ではありませんのでご安心ください。
深海では光量がほとんどありません。
のどぐろはエビや小魚、イカなどを捕食しており、深海では獲物に気付かれないようにするために喉を黒く見せていると考えられています。
捕食した生き物が光を発する場合でも、喉から内蔵にかけて黒い膜で覆われていることで光を抑えることができます。
もし喉や内蔵が透けていた場合、捕食した生き物の光がのどぐろを捕食する生き物を誘うきっかけにも繋がります。
また、のどぐろの正式名称は「アカムツ」です。
体色も赤色をメインとしています。
海の中では赤色が最も早く吸収されるため、身を隠す際にも効率的なカラーです。
この原理を考慮すると、のどぐろの体色と喉の色は捕食する際や捕食対策としても理想的なカラーだと言えますね。
深海魚は喉が黒い魚種も多い
のどぐろに限らず、深海魚はカモフラージュのために喉が黒い魚種も少なくはありません。
また、同じ深海魚の中には名前に「ムツ」が付く魚種も含まれます。
それぞれの違いについて解説していきます。
メヒカリの場合
深海魚の中に「メヒカリ」という魚種がいます。
このメヒカリの喉ものどぐろと同様に黒くなっています。
画像の引用など
⇒https://osakana.suisankai.or.jp/shokuiku/4702
メヒカリの食生は動物性プランクトンや小魚などになるため、やはり深海で光を発する動物性プランクトンを食した場合には捕食者にも見つかるリスクが高まります。
メヒカリもカモフラージュのために喉から内蔵にかけて黒い膜で覆われていると考えられます。
ムツ系の魚は喉が黒いのか?
深海魚には、アカムツと同様にムツ系の魚が他にも存在します。
アカムツのように喉や内蔵が黒い可能性も考えられるため、クロムツとバラムツに絞り解説していきます。
クロムツの場合
クロムツも深海魚であり、高級魚としても知られています。
アカムツよりも深い200~500mの岩礁域に生息しています。
また、地域によりクロムツのことものどぐろと呼ぶことがあるため、間違える方も意外と少なくありません。
しかし、クロムツは「スズキ目スズキ亜目ムツ科」です。
アカムツは「スズキ目スズキ亜目ホタルジャコ科」のため別の種類となります。
そのため、クロムツの幼魚の口の中は黒くはありません。
成魚になるとアカムツと同様に黒くなると言われていますが、アカムツほど内蔵は黒くなりません。
バラムツの場合
バラムツも「ムツ」が名前に含まれるため、アカムツと同様に喉が黒いのではと疑問の声も見つかります。
しかし、バラムツも「スズキ目サバ亜目クロタチカマス科」となり、アカムツとは別の魚種です。
バラムツはクロムツよりもさらに深い400m~800mで生息している魚です。
ただ、喉やお腹はやはりアカムツほど黒くはありません。
ちなみに、バラムツの脂は「ワックスエステル」と呼ばれる消化性の悪い成分のため、1970年に厚生労働省で販売が禁止されています。
のどぐろの喉が黒いことには理由がある
のどぐろの喉が黒い主な理由は、カモフラージュだと考えられます。
中には「黒いから腐っているのでは?」と不安な声も見かけますが、品質には問題ありません。
より捕食しやすく、さらに捕食者から身を守るためにも体色を赤くしたりと進化した結果です。
※島根産ののどぐろは脂も乗って美味しいと評判です。
こだわりの干物はこちらをご覧ください。