【名店以上の味わい？】島根へ行かずとも、出雲そばを自宅で手軽に味わう方法とは？

島根が誇る「食」と言えば？

日本全国に点在するグルメ処の中でも、屈指の美味いものを誇る島根県。

お米からお酒に至るまで幅広いジャンルの名品が存在し、来る者を風景と食で魅了する稀有な土地です。しかし残念ながら、その中には県外の方にあまり知られていない物も多くあります。

そこでここでは、島根が誇る絶品グルメをいくつかピックアップして紹介していきます。

仁多米

魚沼コシヒカリ以上のコシヒカリとして名を馳せた、島根県が誇る絶品米である仁多米。

その証拠に、仁多米は「米・食味分析鑑定コンクール」において、10度も金賞を受賞しているのです。

そして何より、仁多米の稲は奥出雲の環境でしか生み出すことのできない希少性の高いもの。故に他の土地では絶対に再現できない独自の味を持っています。

価格は2kgで2,000円程度、5kgで3,500円程度、10kgで5,500円程度と、割と高めに設定されていますが、いわゆる高級ブランド米よりは割安で購入できます。

しじみ

島根県は、高い漁獲量を誇るしじみの名産地です。中でも宍道湖で水揚げされる「やまとしじみ」は、粒が大きく食味が良いことから広く知られた宍道湖ブランドのしじみです。

そのしじみを使った佃煮は島根の名物として広く知られており、観光客から土産物として選ばれている人気の一品です。

果物（メロン・ブドウ）

島根は果物も豊富で、中でも出雲市や大田市などで栽培されている「アムスメロン」や「島根ぶどう」などが有名です。

ちなみに島根ぶどうの代表的な品種はデラウェアですが、巨峰やピオーネなども栽培されています。

肉（和牛・豚）

島根の名産として欠かせないのがお肉でしょう。一定の基準を満たした黒毛和牛のブランドである「しまね和牛」は、内閣総理大臣賞を受賞した程の逸品です。

豊かな風味と鮮やかな霜降りは、見た目から美味しさが伝わります。さらに牛肉のみならず、邑南町で育てられた「石見ポーク」も非常に有名。

柔らかくて旨味のある赤みと、程よい甘さを含んだ脂身のバランスがよく、バラや肩ロースなどのセットは贈答品としても非常に人気が高いと言われています。

出雲そば

そして欠かせないのが出雲そばです。島根出雲地方が誇る名物であり、日本三大そばの一つに数えられる逸品として全国的に知られています。

特徴や食べ方については、以降でじっくり紹介していきます。

人気・知名度NO.1の「出雲そば」について知ろう

前項の通り、美味いもの県として知られる島根県において、最も知名度が高いグルメと言えば「出雲そば」一択でしょう。

しかし、食べたことのない方からすれば、どこがそんなに凄いのか？　と思うところでしょう。

そこでここでは、出雲そばとはどんなそばなのか？　はたまた、好まれるポイントはどこなのか？　について紹介していきます。

出雲そばとはどんなそば？

その名に冠されているように、出雲地方で最もメジャーなグルメとして知られているのが「出雲そば」です。

さらに、岩手県の「わんこそば」、長野県の「戸隠そば」と並び、日本三大そばの一つとして数得られています。

出雲そばは製法が独特で、一般的にそば粉は製粉の方法によって一番粉から三番粉に分類され、一番粉を使ったそばを「更科そば」と呼ばれます。

それに対し出雲そばは、粉の識別をせず殻の付いた実をそのまま挽き込むという独特の製法で作られたそば粉を使うのです。

出雲そばが持つ独特の風味や栄養価の高さは、この製法だからこそ成し得た結果であり、他のそばと一線を画す大きな秘訣はそこにあります。

余談ですが、三番粉を使ったそばは「藪そば」や「田舎そば」と呼ばれているそうです。豆知識として覚えておくと、どこかで使えるかもしれません。

人気店の出雲そばは絶品

出雲そばが生まれた島根県出雲市では、当然のごとく美味しいと評判のお蕎麦屋さんが点在しています。

ここでは、その中でも特に評判のお店をまとめてみました。

○出雲そば　荒木屋

まずご紹介するのは、江戸時代から続く老舗、荒木屋です。

出雲のシンボルである出雲大社のお膝元で、200年以上出雲そばを提供し続けている地元屈指の名蕎麦店。

人気は「割子」と呼ばれる朱塗りの丸皿に出雲そばを盛り付けた「割子そば」です。ボリュームがある割に安価である点も人気の秘訣と言えるでしょう。

○出雲そば きずき

荒木屋さん同様、出雲大社から程ない所に構える人気店、きずき。季節ごとにそば粉の産地を変えており、四季で異なる風味を愉しむことができます。

また、江戸の匂いを残すシックなデザインが非常におしゃれで、出雲そばだけでなくお店の雰囲気も愉しむことができる稀有なお蕎麦屋さんです。

ちなみに、閉店時間が14時までと短い点にご注意ください。

○平和そば本店

出雲産の玄そばを使った手打ちそばを、うるめ節のだしでいただく割子そばは、出雲随一の旨さと地元でも評判の平和そば本店。

その証拠に、かつてはお客のほとんどが地元の方だったにも関わらず、割子そばの美味しさが広く伝わり、昨今では観光客で溢れているなんて話も聞きます。

出雲に来たら平和そばの出雲そばを食べなければ損と言われるほどに美味しいのだとか。

「出雲そば商組合」って何？

ネットなどで出雲そばのお店を調べると、そのいくつかには「出雲そば商組合加盟店」と書かれています。

一体それはどんな組合なのか？というと、出雲そばを名実共に全国区に育てるべく発足された組合なのだそう。

参加しているのは15店ほどの出雲そば屋さんで、平成16年に設立されています。

発足された理由が意外で、何でも「出雲そば」の名称で親しまれていながら、発足以前は地元産を使ったそばが少なかったのだそう。

それを解消すべく、出雲市の生産者をタッグを組み、栽培の本格化と出雲そばのブランド化を進めていくことを決めたと言われています。

つまり、加盟店のそばは地元産のそばを使った純度100％の出雲そばであるということになるでしょう。

出雲そばを家庭で美味しく食べる方法を知ろう

いくらお店で食べる出雲そばが絶品だと言われても、県外からわざわざ出雲そばを食べるだけの目的で訪れるのはちょっと無理があるかもしれません。

そこで同章では、出雲そばを自宅でより美味しく食べる方法をご紹介していきます。最後に、編集部おすすめの出雲そばをご紹介しているので、気に入ったらすぐさまお試しいただけると幸いです。

出雲そばの食べ方アラカルト

アラカルトとは言え、実は出雲そばの食べ方は少なく、出雲地方で親しまれた定番の食べ方は計2パターンのみです。

まずは「釜あげそば」です。釜揚げうどんはよく聞くネーミングですが、実は釜あげそばというのも出雲地方ではポピュラーな食べ方と言えます。

【釜あげそば】

うどん同様、釜揚げそばも作り方は非常にシンプルです。

ポイントは、茹で上げたそばに「かけ汁」ではなく「そば湯」を注ぐ点に他ならず、このひと工夫があることでそばの香りがより強く引き立つため、味覚と臭覚の両方でお蕎麦を愉しむことができます。

【割子そば】

出雲そばの食べ方として最も有名なのが割子そばではないかと思います。

朱塗りの丸皿に出雲そばを盛り付け、ネギやもみじおろし、削り節などの薬味を乗せ、つゆをかけて食べるという独特な食べ方をします。

丸皿を三段程度重なって出てくるケースが主で、一番上の段の皿にかけたつゆを下の段に継承していくという食べ方もまた楽しいでしょう。

出雲そばを自宅で美味しく食べる方法

基本的には釜あげか割子で食べるのが最適だと思いますが、出雲で購入した出雲そばを使い、自宅でアレンジして食べる方も多いようで、検索すると様々なアレンジレシピが出てきます。

細かく書くとキリがないので箇条書きすると、出雲そばにとろろを掛けて食べたり、茹でたなめこと豚バラをたっぷり入れたなめこ豚バラそばも魅力的です。

つまり、定番のそば料理に使う麺を出雲そばに変えただけのレシピでもかなり満足できるのではないか？　と思います。

おすすめの出雲そば紹介

そして最後にご紹介するのは、編集部イチオシの出雲そばです。

とは言っても、何もおすすめの名店を紹介するのではなく、「そば自体」になります。

それは、大正11年創業の老舗人気店「一福」さんが販売している出雲そばの生そばです。

とにかく口コミでは絶賛の嵐で、それを読んだ時点で購入したくなることは必至です。

何せ本格的な出雲そばが自宅で手軽に愉しめるわけですから、遠方に住む方にとっては非常に魅力的な一品と言えます。

また、セットで購入すると生そばだけでなく、一福が誇る伝統の蕎麦つゆも付いてくるというお得ぶりです。

まだ出雲そばの美味しさを体験したことがない方は、まず一福の出雲そばを注文し、自宅でその味を愉しんでもらうことをおすすめします。