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実は知らない出雲大社の真実〜参拝方法のタブーからグルメまで徹底解説〜

2023.12.28

出雲大社

「神々が集う、大いなる社」として国内外から多くの参拝者を集める「出雲大社」。

数千年もの歴史を持つ雄大な神殿と周囲の森厳な雰囲気から、参拝者を別世界に誘う独特な雰囲気をまとっています。

そんな出雲大社ですが、広大な敷地と参拝のルールの複雑さから、初めて参拝する方にとっては割と敷居が高いと感じるそう。

そこでここでは、出雲大社での参拝ルールについて詳しく解説していきます。

さらに、出雲大社の特徴や周辺のグルメ情報も合わせて紹介していくので、参拝を考えている方は是非最後まで目を通してみて下さい。

出雲大社ってどんな神社?

「大社」という名前が付く神社は国内にいくつも存在しますが、元々「大社」は出雲大社を指す言葉だったと言われており、それ故に歴史は古く、現存する日本最古の歴史書である「古事記」・「日本書紀」に記されていることから、日本で最も古い神社の一つであると言われています。

具体的な時期については不明とされていますが、少なくとも8世紀頃には同地に大きな社が建っていたと推測されているそうです。

そんな出雲大社は、現代でも多くの参拝客を集める国内屈指の神社として知られており、2022年の元日には、何と約14万人もの方が参拝したそうで、三ヶ日の参拝客数は延べ60万人を超えたというから驚きです。

そこでまずは、出雲大社とはどんな神社なのか? その特徴について詳しく解説していきたいと思います。

大社=出雲大社は本当?

冒頭でご紹介した通り、これは本当です。

そもそも「大社」という呼び名を戦前に使っていたのは、出雲大社と同じく島根県の熊野大社のみでした。

しかし戦後になると、静岡県三島市にある三嶋神社が三嶋大社と名を変えた他、20を超える国幣・官幣大社が社格に応じて(社格:神社の格・等級のこと)神社から大社に変更したのです。

それによって大社=出雲大社という認識は薄まり、位の高い神社が大社であると理解されていきました。

出雲大社の大きな特徴について

出雲大社と言えば、やはり何と言っても「規模の大きさ」が最大の特徴でしょう。

境内の広さは約18万m2あり、境外の摂社・末社や山林を合わせると、何と約38万m2あると言われています。

また、敷地のみならず、出雲大社にはスケールが大きいものが多く、御本殿や神楽殿、神楽殿の大注連縄さらには国旗に至るまで、あらゆるものが規格外のサイズである点が大きな特徴と言えるでしょう。

出雲大社のご利益は?

広く知られているのは「縁結び」だと思いますが、実はそれだけでなく、「子授」「夫婦和合」「五穀豊穣」「商売繁盛」「国土開発」「病気平癒」など、さまざまなご利益があるとされています。

ちなみに、なぜ出雲大社が「縁結びの聖地」なのかご存知でしょうか。

旧暦の10月を「神無月」と呼びますが、実は出雲地方のみこの時期を「神在月(かみありづき)」と呼びます。

その理由は、旧暦の10月頃になると全国から神様が出雲に集結し、そこで「人の縁」について話し合うと言われていることからであり、つまり出雲大社には「人の縁を結ぶ」ご利益があるとされているのです。

参拝前は要チェック!出雲大社の正しい参拝方法を知ろう

初めて参拝に訪れる神社へ行った際、作法が分からず周囲の方の仕草を真似してしまうという方は多いと思います。

確かに、数ある神社は個々に参拝のルールが異なっており、正しい作法で参拝しないと、ご利益がないのでは?などと不安になった経験をお持ちの方もいるでしょう。

そこでここは、広く神社で参拝するルールや、今回フォーカスしている出雲大社における正しい参拝ルール・作法についてご紹介していきます。

そもそも正しい神社の参拝方法とは?

冒頭で「神社によって参拝のルールは異なる」などと言ってしまいましたが、実は神社での参拝作法に厳格な決まりは存在しません。

お参りする気持ちが正しく伝われば、どんな作法でもよいとされているようです。

とは言え、神社によっては参拝方法についてイラスト付きで紹介しているところもあり、実施のところはどうなんだろう?と悩んでしまうところだと思います。

では、全国的に知られている基本的なルールをいくつか紹介すると・・・

⚫︎鳥居を潜る前に一礼する

⚫︎参道の真ん中を歩いてはいけない

⚫︎手水舎では手と口を洗い清める

⚫︎お参りは『二礼二拍手一礼』

以上の点を抑えておけば、その他に細かいしきたりはありません。

ちなみに、『二礼二拍手一礼』の流れを簡単に紹介すると・・・

1.姿勢を正し、二度深くお辞儀をする

2.胸の高さで右手を引き、手をあわせて肩幅程度に両手を開き、二度打つ

3.ゆっくりと手を合わせ祈る

4.最後にもう一度深くお辞儀をする

以上になります。

ただし、『二礼二拍手一礼』については神社ごとにルールが異なるケースがあり、その際は事前に調べておくか、お参りする前に看板などで確認しておくことをおすすめします。

出雲大社で参拝する際にやってはいけないこと

まず、出雲神社のお参り方法ですが、前項で紹介した『二礼二拍手一礼』ではなく、出雲大社では『二礼四拍手一礼』が正しい作法とされています。

正し、それを守らなければご利益がないという訳ではなさそうなので、ご心配なく。

そして出雲大社における参拝時のタブーとは何か? と言うと・・・

⚫︎軽装でお参りする

⚫︎帽子を被ったままお参りする

⚫︎派手で露出が多く、だらしない服装でお参りする

基本的には上記3点がNGマナーと言われていますが、それは出雲大社に限らず、どの神社でお参りする際もNGでしょう。

また、参道の真ん中を歩くことや、賽銭箱にお金を強く投げるのも同様に無礼となります。

ちなみに、NGな服装についても紹介しましたが、何もスーツなどの正装で参拝に臨むべきということではありません。

あくまで節度を守り、一般的に「だらしないと思われない服装」であれば問題ないようです。

おしゃれに敏感な若い方などは注意した方が良いかもしれませんね。

ご利益の「砂」はどこでいただくのか?

縁結びのご利益同様、出雲大社にはもう一つ有名な慣わしがあります。

それは「お砂の交換」です。出雲大社では、古くから神社の砂を持ち帰る習慣があったそうで、今でも「お清めの砂」として多くの参拝者が持ち帰っています。

しかしその砂、ただ持ち帰るだけではダメです。

出雲大社の近くにある稲佐の浜の砂を持っていき、それと「交換する」というのが正しい作法になります。

手ぶらで砂だけを持ち帰る行為はNGなので、是非覚えておいて下さい。

そして、砂の交換ができる場所は、境内の最北に位置する「素鵞の社(そがのやしろ)」です。

その軒下に砂箱が用意されており、そこで持ってきた砂を交換することができます。

また、砂を交換するタイミングは「参拝後」が望ましいと言われているため、稲佐の浜から参拝を経て交換となると、あまりに大量だと持ち運びが大変です。

ビニール袋に大人の拳二つ分程度あれば問題ないそうなので、節度を守って採取しましょう。

出雲大社参拝時に抑えて起きたいグルメ&お土産情報

出雲大社で参拝を終えたら、次の楽しみは何といっても地元の名産をいただくことではないでしょうか?

さらに帰りには必ずお土産もゲットしたいところだと思います。

そこで最後に、出雲大社付近の美味しいグルメ情報や、人気の土産物について紹介していきます。

近々に訪れる予定がある方は、是非お見逃しなく。

出雲の名産を食べ尽くそう

「神の国・出雲」と言われる一方で、出雲は「食の国」として広く知られています。

当然のように絶品の名物・名産品も多くあり、一体どれをクローズアップすれば良いのか非常に悩ましいところです。

そんな中厳選した名物・名産グルメは、以下の通りです。

⚫︎出雲そば

やはり出雲と言えば「蕎麦」が欠かせません。

出雲随一の郷土料理として、全国に広く知られた名品です。

出雲そばと言えば、粉の選別をせず、殻のついたそばの実を、挽きぐるみという製粉方法でそのまま作るのが大きな特徴です。

栄養が高く香り高い。さらに確かな厚みを感じる食感と甘い風味を感じることができます。

一般的な蕎麦よりもコシが強いため、つるりとした喉越しを楽しむ蕎麦というより、よく噛んで味わうのが適しています。

⚫︎ぜんざい

そして、もう一つ出雲発祥の名物として欠かせないのが『ぜんざい』です。

前記した神在月に催されていた『神在祭』では「神在餅」というお餅が振舞われていたいたそうで、その名が出雲弁の訛りによって変化し「ぜんざい」と呼ばれるようになったとか。

尚、ぜんざいが出雲発祥である事実は、江戸初期に書かれた「祇園物語」や「梅村載筆」といった文献に記されているようです。

出雲大社周辺の人気店5選

では、前項の名物を踏まえ、出雲大社付近の人気店を紹介していきましょう。

⚫︎本格手打蕎麦 出雲 砂屋-SUNAYA-

出雲大社付近の人気店、「砂屋」は、付近唯一の十割蕎麦専門店です。

うるめいわしを使った濃厚なダシに、風味豊かでコシの強い蕎麦が見事にマッチします。

まるでカフェのようなおしゃれな内装も評判が良いそう。

見て良し、食べて良し、地元随一の人気蕎麦店です。

<本格手打蕎麦 出雲 砂屋-お店詳細->

住所:出雲市大社町杵築南772 2F

営業時間:平日11:00~15:00、土日祝10:30~15:30

定休日:火曜、第3月曜

電話番号:0853-27-9006

⚫︎くつろぎ和かふぇ 甘右衛門

出雲大社付近でぜんざいをいただくなら甘右衛門一択と言われる程の人気店です。

大黒様をモチーフにしたモナカが乗ったぜんざいは、味も見た目のインパクトのある一品です。

また、お椀にはモナカだけでなく、地元出雲産の餅米を使った紅白餅も入っており、食べ応え十分。

また、メニューだけでなく、大正ロマンを感じるレトロでおしゃれな店内も魅力的です。

<くつろぎ和かふぇ 甘右衛門-お店詳細->

住所:島根県出雲市大社町杵築南839-1

営業時間:平日11:00~17:00

定休日:水曜、木曜

電話番号:0853-25-8120

⚫︎大社珈琲

ぜんざい繋がりでもう一軒人気のお店をご紹介します。

一畑電車大社線 出雲大社駅から徒歩1分のところにある「大社珈琲」では、出雲産の大納言小豆をふんだんに使った「出雲ぜんざいケーキ」が楽しめます。

中々の変わり種ですが、実はこのケーキが絶品と評判なのです。

粒あんとバターの相性がかなり良く、しっとりまろやかな食感に多くのファンが後を絶たないのだとか。

参拝に疲れた体に甘いぜんざいケーキでチャージするのも悪くないですよね。

<大社珈琲-お店詳細->

住所:島根県出雲市大社町杵築南神門前780-9

営業時間:平日11:00~17:00 土・日曜、祝日9:00~17:30

定休日:木曜

電話番号:0853-53-0510

⚫︎福乃和

甘味の後にやや渋めのチョイスですが、次にご紹介するのは出雲大社・出雲国造家に代々伝わる伝統食「うず煮」を味わうことができる人気店「福乃和」です。

「うず煮」は、旧暦元旦にあたる1月25日に出雲大社・神楽殿で催される「福神祭」で振る舞われる特別な料理になります。

フグの旨みがぎっしり詰まったとろみの強い汁に、フグの身と皮、さらには椎茸・三つ葉・干瓢が入り、そこにご飯を乗せ、わさびと海苔で楽しむという風変わりな一品。

また、椀の中身をかき混ぜて食べるという伝統的なスタイルは今でも変わらないままなのだそう。

<福乃和-お店詳細->

住所:島根県出雲市大社町杵築南神門前780-9

営業時間:平日11:00~17:00 土・日曜、祝日9:00~17:30

定休日:木曜

電話番号:0853-53-0510

⚫︎清松庵 出雲大社店

そして最後にご紹介するのは、バラエティー豊かなえびせんを取り揃えた人気土産店「清松庵」が誇る人気メニュー「島根和牛ご縁ライスバーガー」です。

店名とメニューの不一致感が印象的ですが、これが何とも絶品と評判で、甘辛いタレがかかった和牛とライスバンズの相性が抜群なのだとか。

お米と牛肉の相性が悪いはずもないのですが、レビューによると、尋常ではない旨みは、多くの方が恐らく未体験であろうレベルという衝撃的なコメントもあり、参拝時にはぜひ味わってみたくなる一品です。

<清松庵 出雲大社店-お店詳細->

住所:出雲市大社町杵築南861-1

営業時間:10:00~17:00(時期による変動あり)

定休日:不定休

電話番号:0853-25-7337

出雲大社参拝後にゲットすべきお土産物は?

参拝を終え、美味しい物を堪能したら、締めはお土産物です。

出雲大社と言えば縁結びとあって、お守りやお箸などがお土産として人気の代表格とされていますが、今回は敢えて「食べ物」にフォーカスしてご紹介していきたいと思います。

⚫︎願ひ菓子(彩雲堂)

明治7年創業の老舗和菓子店「彩雲堂」の人気商品「願ひ菓子」は、勾玉を模した小さな砂糖菓子です。

質の良い和三盆で作られており、上品な甘さと口溶けの良さが大きな特徴になります。

いちご、ゆず、ココア、和三盆、抹茶、5つの風味を楽しむことができ、今や参拝客の定番のお土産物として人気を博しているそうです。

⚫︎ひとくちおふく焼き(福乃和)

前項のグルメ情報でも紹介した福乃和さんが誇るもう一品の名物は、人気の土産物「ひとくちおふく焼き」です。

同店の名物である「ふぐ」をモチーフにした「たい焼き」で、皮の中には甘さ控えめのスッキリと甘さが楽しめる粒あんがぎっしりと詰まっています。

良縁祈願のスイーツとして、ふぐのエラ部分がハート型になっているのがとても可愛いです。

⚫︎紅白 縁結びかん(いづも寒天工房)

こちらも出雲大社からほど近い場所に位置する人気のお店で、メインとして扱っているのは「寒天」で、中でも「紅白 縁結びかん」は人気の筆頭だそう。

あまおう苺を使った紅の寒天と、赤りんごを使った白の寒天は、どちらもほんのり甘酸っぱく、独特の食感を楽しむことができます。

見た目の可愛さもあって、女性客から絶大な人気を誇っています。売り切れ必至なので、立ち寄った際に残っていたら、迷わずゲットすることをおすすめします。