食の歳時記 いずも庵 ブログ

出雲発の極旨料理酒「地伝酒」の実力とは?

2023.8.3

地伝酒

普段どんな調味料を使っているでしょうか? とは言え、調味料にこだわりを持っている方は、かなり意識が高い方だと思われますが、多くは別にさほど大きく味が変わるわけではないから、何でも良いかななんて思っているのではないでしょうか?

今回フォーカスしていくのは「料理酒」であり、中でも出雲の名品と呼ばれ、高い人気を誇る『米田酒造の出雲地伝酒』について特筆していこうと思います。

そこでまずは料理酒とは何なのか? どんな使い方をするものなのか? など、料理酒の基本的な情報から詳しく解説していきます。

普段の料理を数倍美味しくする魔法の調味料、料理酒について詳しく知りたい方はぜひご一読下さい。

料理酒について詳しく知ろう

普段料理をする方にとっては常識的なことかもしれませんが、料理酒とはどんな物なのかご存知でしょうか?

「そんなの、調味料の一つでしょ?」という答えが返ってくるのは目に見えていますが、もっと細かく考えたことはあるでしょうか?

つまり、料理酒を使うことで、メニューにどんな変化が現れるのか? についてなどです。

ここでは、まず「料理酒とはどんなものなのか?」「どういったものがあるのか?」など、基本的なことからまとめていきたいと思います。

そもそも料理酒とはどんなものか?

言わずもがなかもしれませんが、料理酒は旨味をアップさせたり、食物の臭みをとってくれる役割を持った調味料です。

「酒」である以上、そのまま飲むことも可能ですが、一般的には前記したような効果を得る為に使用するもの。原料に米や麹だけでなく、食塩が含まれていることからも、料理に特化したものであることは明白です。

料理酒にはどんな種類がある?

料理酒は「酒類調味料」と「食品調味料」に大別できます。まず種類調味料は「清酒タイプ」と「合成清酒タイプ」に細かく分けられ、前者の特徴は醸造物であり、酒税法で定められた原料のみ使われているもの。

そして後者は清酒の代替品であり、醸造アルコールにぶどう糖や酸などの副原料を混ぜたものになります。

ちなみに、スーパーなどの小売店では、両者が一緒の棚に置かれているところが多く、どちらなのかを確認する場合は、商品の原材料表示を見れば一目瞭然です。

料理酒は飲んでも大丈夫?

いきなり結論から言うと、料理酒を飲むことは「可能」です。しかし飲みやすいのは清酒・合成清酒から成る酒類調味料の方。

食品調味料はアルコールこそ含むものの、一定量の食塩も含んでおり、不可飲処理を施されているため、飲料としては適していません。

ただし、酒類調味料もあくまで「調味料」です。日本酒とは違って精米処理を施していないので、お米の成分が雑味として残ってしまうことから、やはり飲料としては適していないと言えるでしょう。

料理酒の正しい使い方を知ろう

言わずもがなですが、料理酒は「調味料」であり、使い方次第を料理の美味しさを十二分に引き出すことができます。

しかし、使うタイミングや使う量を間違えてしまうと、逆効果になってしまう恐れもあるのです。

そこでここでは、料理酒を使うタイミングや、そもそもなぜ料理酒を使う必要があるのか?

などについて解説していきます。

なぜ料理酒を使う必要があるのか?

なぜ料理酒を使う必要があるのか? それは言わずもがなかもしれませんが、調味料である以上、調味効果があるからに他ならず、食材の臭みを取ったり、旨みやコクを付けたり、はたまた食材を柔らかくする効果があります。

さらに、アルコールは浸透しやすい性質があるため、料理の旨みが染み込みやすくなるという効果も期待できるのです。

料理酒を使う最適なタイミングは?

料理酒を使う際、多くの方が迷ってしまうのが「使うタイミング」ではないでしょうか?

もちろん厳密に入れるタイミングが決められている訳ではないのですが、調味効果を最大限引き出すには、「アルコールを煮切る・飛ばす」必要があります。

なぜなら、アルコールを抜かないと料理全体に火が入りすぎてしまったり、そもそもアルコールの匂いが残ってしまう恐れがあるからです。

つまり、どのタイミングで入れるのがベターなのか? というと、「料理のさ・し・す・せ・そ」を入れる前、つまり一番最初に入れるのが良いとされています。

余談ですが、砂糖を最初の方に入れる理由は「食材に浸透する時間がかかるから」とされており、酒や砂糖、塩などは、後半に入れていく「す・せ・そ」など風味を付けるための調味料の効果を最大限に引き出すため、早めに入れるとされているのだそう。

料理酒を使うべきメニューとは?

レシピ通りに料理を作る際、出来上がったときに「料理酒を入れた効果、あったんかな??」なんて思ってしまうことはありませんか?

特に料理に慣れていない方などは、料理酒がもたらす効果についてあまり気づかないかもしれません。そこでご紹介したいのが、料理酒の効果がわかりやすく出るメニューです。

酒蒸し

ベタかもしれませんが、やはりその効果が最もはっきり分かるのは酒蒸しでしょう。

前項ではアルコールを飛ばす必要があると紹介しましたが、酒蒸しの場合はある程度お酒の風味を残す必要があるため、他のメニューよりも使う量はやや多めになります。

そして効果が実感できるのは酒蒸しに使用する生の魚介類の臭みが取れる点に尽きるでしょう。

野菜炒め

え?と疑問を覚えた方もいるかもしれませんが、実は野菜炒めにはお酒が欠かせません。理由は「野菜がしなりにくいから」に他ならず、アルコールは水よりも蒸発するのが早いため、余計な水分を残すことなく野菜に火を入れることができるのです。

それによって、仕上がり時は野菜がシャキっとした状態を保つことができ、クタっとしたありがちな状態になりにくいと言われています。ぜひ一度お試し下さい。

炊き込みご飯

これもまたあまり知られていないかもしれませんが、実は炊き込みご飯にも料理酒が有効。

料理酒が持つ「食材を柔らかくする効果」を発揮することで、メニューに含まれる野菜やお肉を柔らかくし、非常に風味が豊かになるのです。

普段料理酒を使わないメニューの中にも十分良い効果を生むものも多いと思いますので、興味がある方はぜひ探してみることをおすすめします。

おすすめの料理酒とその使い方を知ろう

一口に料理酒とは言ってもその種類は数多くあり、スーパーの料理酒コーナーにも数多くの商品が並んでいるのはご存知だと思います。

しかし、料理酒なんてどれを使っても得られる効果は一緒でしょ?と思っている方が多いのではないか?と思います。

とは言えそれは大きな間違いです。砂糖や塩にも良し悪しがあるように、料理酒にもまた優れたものが多くあります。

そこで最後に、名品と評判の料理酒とその入手方法について詳しく紹介していきます。

米田酒造の出雲地伝酒が良いって本当?

今回イチオシとしてご紹介するのは米田酒造の地酒伝です。

何やら本格的な日本酒みたいな印象を受けるネーミングですが、それもそのはずで、地酒伝は明治29年創業した出雲の老舗酒蔵「米田酒造」が生み出した『料理酒』になります。

出雲地方では、料理に上品な美味さを与える特別な料理酒として知られ、同地域の食文化には欠かせない存在となっているのです。

ちなみに、地伝酒はかつて飲料として親しまれていましたが、後に調味酒として使用され、出雲における郷土料理の基調をなすものとして重宝されるようになったそうです。

また、地伝酒が製造されていたのは、昭和18年頃までだったのですが、復活を望む声に後押しされ、平成2年に再び造られるようになったと言われています。

それほどまでに支持される理由は、何と言っても地伝酒が持つ濃厚な旨みと豊かな甘みに尽きるでしょう。

もちろん、臭みを取る、食材を柔らかくするといった料理酒独自の効果も十分持っており、さらに他の料理酒どころか、みりんを超える旨み・コク・ツヤをもたらすという正に最高峰の料理酒と言って良い実力を持っているのです。

メニューのポテンシャルを最大限引き出す調味料と言っても過言ではありません。

どんな料理に合う?

米田酒造のHPでは、地伝酒を活かすメニューとして、以下のようなメニューとレシピが公開されています。

●めんつゆ

地伝酒1・醤油1・出汁3〜4

●丼のつゆ

地伝酒1・醤油1・出汁4

●照り焼きのたれ

地伝酒1・醤油1

●漬け丼のたれ

地伝酒1・醤油1

●魚の煮付け

地伝酒1・醤油1・酒0.5

ほぼ地伝酒と醤油で作ることができてしまうそれらですが、とにかくコクと風味が素晴らしく、まるで料理屋で出てくるメニューの様な仕上がりになるそうなので、興味がある方はぜひ一度使ってみることをおすすめします。

ちなみに数値は割合になります。

米田酒造の出雲地伝酒を確実に入手する方法

そこで気になるのは「価格」ではないでしょうか?老舗の酒蔵で造られた至高の逸品とあらば、さぞお高いのではないか?と懸念されると思います。

そして、結論から言ってしまうと、地伝酒は決して安くはありません。紹介してしまうと・・・

●出雲地伝酒 1800ml:1,815円(税込)

●出雲地伝酒 720ml:962円(税込)

となっております。え?それって本当に高いの?と思われる方もいると思いますので比較してみると、スーパー等で販売されている一般的な料理酒は1リットルで200円前後が相場となっており、やや高いものでも300〜400円程度であることに対し、地伝酒は1000円(/ml)程度に設定されています。

おおよそ5倍程差があることを考えると、確かにリーズナブルとは言い難いですよね。

しかし、逆にさほど高額ではないという印象も拭えないと思います。高価な日本酒を一本購入すると考えれば、1,000円前後なら・・・と思う方もいるでしょう。

余談ですが筆者は「逸品と言われる割に安いのではないか?」と思ってしまいました。

何より、地伝酒は非常に人気商品であり、売り切れていることもしばしばあるのだそう。

そこでおすすめする購入先がこちら。購入金額によっては送料無料になるので、まとめ買いする方には非常にお得です。

ちなみに、ここでは地伝酒を使った「どら焼き」も販売されているので、そちらにもぜひ注目してみてください。

まとめ

今回は料理酒についてご紹介してきましたが、最後にピックアップした出雲地伝酒の様に、プロが使う様な高品質な料理酒が存在すること自体、実はあまり知られていなかったかもしれませんので、興味がある方はぜひ普段使わない料理酒に注目し、どんな効果があるのか?について実証してみることをおすすめします。