同じメニューでも、地域によって食べ方や作り方が異なるものがいくつかあることをご存知でしょうか。
例えば「お雑煮」の場合、東日本では角餅を入れることに対し、西日本では丸餅を使います。
さらに四国の一部の地域では、何とあんこが入ったお餅を入れるところもあるそう。
同じ名前のメニューながら、入っているものが大きく異なっています。
さらに、汁の味付けにも差異があり、東日本は醤油ベースであることに対し、西日本では味噌を使うなど、入っているものだけでなく、味付けまで大きく異なっています。
そして今回フォーカスするのは、お雑煮と同様に地域によって大きく食べ方や味が異なる『ちまき』です。
ちまきと言えば、端午の節句を祝う際の食べ物として広く知られており、一般的には、もち米などの粉を練り、笹や茅の葉などで包んで蒸して作った餅のことを言います。
しかし、このちまきも地域によって作り方が大きく異なっているのです。今回は、その「ちまき」のバリエーションや、作り方などについて紹介していきます。
「ちまき」の起源と特徴を知ろう
ちまきと聞いて思い浮かべるのは、笹などの葉に包まり、井草に巻かれた姿だと思います。
では、その形や巻かれている葉はどの地域のちまきでも同じなのでしょうか?
そして肝心の中身は餅米で統一されているのでしょうか? そもそも、ちまきはどの国で生まれ、どんな食べ物だったのか?
まずここでは、ちまきの起源、そして特徴について紹介していきます。
ちまきの起源は中国にあり
端午の節句に欠かせない料理とあり、ちまきの発祥国は日本だと思っていた方も少なくないでしょう。
諸説あるものの、実はその起源は中国だと言われています。
かつて中国の楚国で活躍していた政治家であり詩人でもあった屈原という人物が5月5日に亡くなり、その命日のお供物として作られるようになったのが「ちまき」だと言われているのです。
ちなみに、ちまきが葉で包まれている理由は、龍が苦手とするオウチ葉で包むことで、中身を守ることができるからなのだそう。
そもそもちまきとはどんな食べ物なのか?
ちまきとは何か? 簡単に言うと『もち米を材料とした餅菓子も一つ』であり、一般的にはもち米を使うとされていますが、それ以外にもうるち米や米粉などで作ったものもあります。
そしてその餅を笹もしくは茅などの歯で包み、蒸したり茹でたりしたものをちまきと呼びます。
そして、もう一つ忘れてはいけないのが、ちまきを食べるタイミングです。
タイミングと書いている時点で、ちまきは日常食とは言い難いメニューで、主に食べるのは子供の日とされています。
では、なぜ子供の日なのか?というと、前記したちまきの起源を思い出して下さい。
政治家であり詩人だった屈原という人物が亡くなったのは5月5日、つまり子供の日だったのです。
さらに屈原という人物は、忠誠心が高い人というイメージが強く、そんな大人になってほしいという願いを込め、子供の日にちまきを食べるようになったと言われています。
子供の日にちまきを食べるのは⚫︎⚫︎⚫︎の方が大半?
しかしながら、ちまきの主な特徴を読んで「私の食べてきたちまきとは違う」と思った方もいると思います。
なぜなら、子供の日に食べるものは、地域によって異なるからです。
東日本と西日本で大別すると、東日本では子供の日に「柏餅」を食べる習慣があり、ちまきを食べる傾向があるのは主に西日本と言われています。
では、なぜ西日本なのか? と言われると、明確にこれという説は出ていないのですが、かつては都が関西だったことが影響しているのでは?とされています。
関東の方にはあまり馴染みがないのは、そういった理由があったからでしょう。尚、東日本でも子供の日にちまきを食べる方は多少いるそうです。
ちまきの作り方を知ろう
関西以北の方にはあまり馴染みがないちまきですが、実は食品として非常に優れていると言われています。
まず、もち米を使っているので、とても腹持ちがよい点。さらにちまきは「灰汁」で煮込むという製法が古くから伝えられており、それによって殺菌力や防腐性に長け、保存食として優れているとも言われています。
それほど優れた食品でありながら、ちまきはとても手軽に作ることができます。
そこで同章では、ちまきの作り方について詳しく紹介していきます。
オーソドックスな「三角ちまき」の作り方(用意する材料:30個程度作る場合の目安)
・もち米:700〜750g
・笹の葉:50枚程度
・すげ:個数分
・きな粉:適量
・砂糖:適量
・塩:適量
作り方
・もち米を洗米し、一晩水に浸けておく
↓
・笹の葉とすげを重曹を入れたお湯で煮込む
↓
・一晩つけたもち米をざるに上げ、水を切る
↓
・笹の葉を三角に折ってもち米を詰め、もう一枚笹の葉を被せて三角に包み、すげで縛る
↓
・水を張ったボウルなどにもち米を詰め、葉で包んだちまきを入れ、その後鍋に入れて中火で1時間程度煮込む
↓
・茹で上がったちまきを鍋から上げ、再び水を張ったボウルなどに入れて冷ます
↓
・笹を割き、きな粉や砂糖醤油などにつけて食す
手間はかかるが絶品の「中華ちまき」の作り方(用意する材料:6個程度作る場合の目安)
<具材>
・もち米:300g
・しょうゆ:小さじ2
・竹皮:6枚(個数分)
・タコ糸:6本(個数分)
・うずらの卵:6個(個数分)
・干しエビ:10g
・サラダ油:大さじ1
・豚肉(バラ):100g
・にんじん:50g
・干し椎茸:2〜3枚程度
・たけのこの水煮:100g
<煮汁>
・砂糖:大さじ1
・しょうゆ:大さじ1
・紹興酒:大さじ2
・オイスターソース:小さじ2
作り方
・もち米を洗米し、2時間程度水に浸ける
↓
・水を張ったボウルに竹皮を浸し、20〜30分程度放置し、キッチンペーパーなどで水気を拭き取る
↓
・干しエビ・干し椎茸を水に浸し、戻し汁を取り分けて水気を取る
↓
・にんじん、たけのこの水煮、水気を取った椎茸、豚肉をそれぞれ1センチ程度の大きさに切る
↓
・熱した鍋にごま油をひいて、前項で切った具材を油がなじむまで炒める
↓
・具材を入れた鍋に戻し汁と煮汁の調味料などをそれぞれ入れる
↓
・15〜20分程度、大体汁気が半分程度になったら火を止める
↓
・熱したフライパンにサラダ油をひき、水気を取った干しエビともち米を入れて炒める
↓
・米の色が透明になったらしょうゆを加えて炒め合わせる
↓
・火を止めた鍋の中身をフライパンに入れ、汁気がなくなるまで加熱する(10分程度目安)
↓
・汁気がなくなった中身とうずらの卵を竹皮に包み、タコ糸で縛る
↓
・個数分包み終えたら、それを蒸し器に入れて蓋をし、40〜50分程度蒸す
↓
・蒸し上がったら完成
相当手軽にちまきを作る方法
前章では、オーソドックスな三角ちまきと中華ちまきの作り方を紹介しましたが、正直言って工程が面倒です。
料理に慣れている方なら問題ないかもしれませんが、中々難度の高いメニューなので、中には失敗したなんて方も少なくないかも知れません。
そこで同章では、手間をかけることなく、相当簡単にちまきを作ることができる方法について紹介していきます。
今までちまき作りに苦労されていた方は、目から鱗が落ちることは必至です。
「ナンメのいろんな粉々まきの粉」でちまきを作るべし
はっきり言って、ちまきの作り方は面倒です。
端午の節句に手間暇をかけてじっくりと作りたいと思う気持ちもわかりますが、できれば少しでも手間なく時短で作りたいと考える方も少なくないでしょう。
そこでご紹介するのが、「ナンメのいろんな粉々まきの粉」です。
一体それは何なのか?というと、簡単に言えば「団子の粉」に近いものだと考えて相違ないでしょう。
もちろん品質もしっかり担保しており、同製品で使われているのは厳選された島根県産のお米です。
よく水で洗った後に製粉しているので、品質はもちろん香り高く安全。少しでも手間なく美味しいちまきを作りたいなら、断然おすすめした一品です。
ちなみに、ナンメのいろんな粉々まきの粉はちまきだけでなく、白玉団子などにも使えます。
「ナンメのいろんな粉々まきの粉」を使ってちまきを作る方法
とにかくびっくりするほど簡単なので、説明も簡素ですが・・・
(用意する材料:40個程度作る場合の目安)
・ナンメのいろんな粉々まきの粉:750g(一袋)
・水:600cc
・笹の葉:40枚程度
作り方
・まきの粉に水を加えながらじっくりとこね、耳たぶ程度の硬さになったら適量を取り適度な形に整えて笹の葉に乗せる
↓
・笹の葉を二つ折りにして団子を包む
↓
・葉の両端を織り込んで隙間を塞ぎ、茎を折り曲げて根元を結ぶ
工程はたったこれだけです。味に関しては好みがあるので一概にどうとは言えませんが、とても美味しいと思います。
わざわざ米を長時間水煮浸ける必要もなければ、蒸し器すら不要という圧倒的な手軽さです。
記念日はもちろんですが、ある時不意にちまきが食べたいと思った際にうってつけの商品と言えるでしょう。
ちなみに島根のちまきは笹とちまきの粉のみで造ったシンプルなものとなります。
だからこそ、モチ米と水には深いこだわりがあります。
下記の記事では島根のちまきと全国からちまきの注文が殺到する地元のお餅屋さんを紹介しております。
お時間があればぜひご覧ください↓